2003年10月19日 越後 三国川黒又沢日向沢→栃ノ木川鍋沢下降
メンバー:単独
装備:ザイル9mm×45m
天気:曇り時々晴れ
参考ガイド:上信越の沢105、日本登山体系
初級者向きで、景観がよいという日向沢、ある遡行記録をみると半日で終了してしまう様なので、稜線の反対側にある鍋沢
(こちらも登れば初級らしい)を下降を加え遡行することにした。
前夜移動
15:56自宅発→(一般道&食事)19:00大間々通過→(赤城北面)19:57沼田市街→20:38苗場通過→21:00湯沢IC通過
→21:57三国川ダム着
コンビニは、六日町からR291に入り、三国ダムに入る県道233号の入口にあるセブンイレブンが最後になる。
携帯(ボーダフォン)は、三国ダム脇の駐車場(ダムの北側)なら通話可能、それより奥はNG。
三国ダム脇の駐車場はトイレも自販機もあるので、集合場所はここを使うと便利だろう。
街灯が明るいので、アイマスクをして今日はここで寝る。
6:34十字峡駐車場発→6:47入渓点、7:09入渓→7:23日向沢出合→7:55 20m2段滝下
→8:53 30m大滝下→9:46(1:2)二俣→10:30稜線→10:46下降開始→
11:38鍋沢本流出合→13:25 40m大滝上→14:15 40m大滝下(下降終了)→
15:15十字峡駐車場着
16:50五十沢温泉発→17:33湯沢IC→18:00沼田IC(食事)→19:25大間々通過→21:35自宅着
十字峡の駐車場は点在しており、朝早く着けば、駐車スペースは確保できるだろう。
中ノ岳登山口にある鳥居に手を合わせ出発。黒又沢の入渓は、登山道を5m上がった所に"関係者以外立ち入り禁止"
の看板がありそこを入っていく。踏み後は堰堤を越え、ダムのバックウォーターを左に見ながら結構続いているが
適当なところで沢に下り、入渓する。ゴーロ帯を20〜30分程進むと早くも日向沢の出合になる。
出合は増水の危険が無ければ良いテントサイトになる。
明るい様相のゴーロ帯は両側の山肌が紅葉していて非常に美しく"越後の沢!"という感じだ。
やがて15m3段滝が現れる。下からでは7mくらいにしか見えないが、登ると残りの2段が現れる感じ。
足慣らし/腕慣らしには丁度良いレベルだ。さらに進むと早くも20m2段滝が現れる。基本ルートは水流左だが、
右から入る沢筋の方からも登れる。3級の滝だが、チョット難しいルートを選んで撮り付いて見たが、取り付くと
チョットどころでは無いので、素直に簡単なルートから越える。沢慣れしていない人はザイルを出した方が良いだろう。
この滝を越えると正面に大スラブ壁が見えてくる。小滝を一つ一つ越え、近づいていくとまさに圧巻で
"最大の景観"とガイドに書かれているだけの事はある!ところで、このスラブを登った人はいるのだろうか?
登れそうなルートを遠目で追うと、2級から3級へ、上部は傾斜が増し4級くらいの登攀で潅木帯に逃げ込む感じ。。。
このスラブへを見て正面から入る二俣を、本流の右に進む。左岸上部を見ると稜線は近くに見える
なんでこっちから多くの水が流れてくるのか不思議。実際登っていくと、大スラブ壁の南側を日向沢は
巻いていく感じに流れていく!
小滝を幾つか超えていくと、ガイドで書かれているF4 5m滝が出てくる。右岸に巻き道らしきものが付いていたが、
釜の左側を1mほど上がってバンドを水流左まで渡って直登。3級+という感じ。だが、ラスト1m(落ち口)のところに
良いハンドホールドが無く行き詰まってしまう。リスも無い。指をホールドに立てて感覚を確かめるが、
片足が滑ったら滑落は間違いなし。「行けないよ〜」
このポイントから下降することはもはや出来ないので、右岸の巻き道に方向に草付きに逃げるしかない。
わずかな草を両手で掴み、足が滑ったら終わりだろうなァ。。。と言う1、2歩が幸い滑らず、何とか脱出できた。
この巻き道も滑りやすそうなので、注意。
この先のF6 7m滝はガイドには左岸をショルダーで突破と書いてあるが、小さく巻けるので問題無し。
これを越えていくとハイライトの30m大滝に出た。この滝は水流左を直登、草付きの乾いた所を登れば問題無いが、
ちょっと欲を出して水流に近づくとザイルが無いと怖い。ラスト5mは水流近くから登っていくとホールドが無くなるので、
早めに乾いた草付き側に逃げておくのがオススメ。上部ホールドは細かいが特にハマる事も無くクリヤーする。
ここを突破すると、あとは難しい所も無いまま、(1:2)の二俣に出る。本流は左と思われるが、今日は沢下降もあるので
ガイドの通り右に入る。
入ってすぐの8mナメ滝は、とてもフリクションを利かせて登るという傾斜では無く、水流右を巻く。
ただ、前日雨だったせいか、足が滑ってかなりの腕力勝負。
再び二俣っぽくなったところを右に入ると水も涸れる。とにかく稜線は右に進んだ方が早く出るので、右へ右へと
ヤブを漕ぐ。鬱蒼とした感じは無いが、とにかく足が滑る。水が涸れてから20分チョット、ようやく稜線に出た。
時計を見るとまだ10時半!このまま下れば正午には駐車場に戻れてしまう。
予定通り、稜線の反対側に位置する鍋沢を下る事にする。地図とガイドによると鍋沢の本流は
日向山山頂近くに詰め上がるが、本流といっても対した滝も無さそうなので、支流の小鍋沢を下ることにした。
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日向沢と鍋沢の位置関係
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さて、小鍋沢の下降ポイントだが、あまり標高の低い稜線から下ると一つ西に位置する「オコ沢」に入ってしまうので
それだけ注意が必要。なので、多少稜線登山道を登ると5分弱で「4号目」と書かれた板切れが置いてある三角点
らしき石柱ポイントにでた。1/25000地図を見ると"1269m"の記述が書いてあり、現在位置をここと判断。
この位置より標高の高いところから下れば鍋沢に出るので、ここから少し登った所から下降を開始する。
1〜2分気合で下っていくと沢筋を発見。出たとこ勝負でこの沢筋を下る。この沢筋、滝も無く簡単なのは良いが、
いくら下っても水が現れない。どうも水が流れていないと趣に欠ける。。。結局稜線から30分下って
ようやく水が現れた。しかし、一息いれ、再び下降するとすぐに伏流。。。結局、1時間弱下って鍋沢本流に
出て初めてまともな沢になった。結局下った沢は小鍋沢とは違う沢筋だったのかも???
この辺りの鍋沢本流はまだゴーロ帯で難無く下れる。しばらく行くと左岸に直径50cmくらいの穴から
大量の涌き水が出てくるポイントがあり、ここから水の流れに勢いが出てくる。
2〜3mくらいの滝も現れるが、ザイルを出さずにクライムダウン可能。1箇所だけルンゼ状の5m滝が下れず、
ザイルを出す。この先も5〜7mクラスの滝が現れるが、概ね右岸が下りやすい。
ようやく栃ノ木川沿いの渓谷道が眼下に見えてくると後わずかだが、ここからが鍋沢の核心になる。
5,6mクラスの滝が2、3現れるが左岸のリッジを下る。もっと安全に下りたい人は、左岸の潅木帯を利用すると
良いだろう。そして、最後にこの鍋沢のハイライト40m2段大滝に出る。落ち口から下を覗くが、
ほぼ垂直で懸垂下降した場合の着地点がよく解からない。ここを降りるなら当然懸垂下降なのだが、
安心できる潅木が落ち口よりも10mくらい離れた所にあり、しかもシャワーを浴びながら空中懸垂(?)は
あり得ないので左岸の高巻きルート(?)らしい所から降りる事にする。潅木を掴みながら下降するが、
7〜8mも下ると潅木が急に無くなり、傾斜も増すので、ここで懸垂下降する。この位置からではまだ終了点
まで降りれないので、大滝の中段を目指す。中段まで降りると、まだ7mくらいロープが余っているので、
もう1段(4m)降りる。
ここでロープの残り3m。終了点の栃ノ木川まであと7m。。。周囲には懸垂下降の支点となりそうな物は
全く無し。リスはあるので、ハーケンとシュリンゲを残置すれば、全く問題無いのだが、欲を出して何とか残置
しないで降りられるルートは無いか捜すが見つからず。仕方なく、再び滝の中段まで戻る。
この位置から懸垂支点方向を見ると、支点の位置から3m程下に潅木を発見。ここを支点にして、
滝の中段方向では無く、まっすぐ下にザイルを伸ばせば、フリーで降りれるポイントまでザイルが届くと
判断し登り返した。
新たに見つけた細い潅木は横向きに3,4本生えているのだがザイルに加わる力の方向によってはヤバそう。
しかしこれより下には全く潅木が無いので仕方なく懸垂の支点にする。
懸垂下降しながら支点を見ると木がシナッてるのが見えるが、お構いなく下降を続けると妙な感覚がザイルを
通して感じた。と、思った瞬間
「うわぁっ!」 ザイルが外れた!
下を見ると3mくらい下に小さなテラスが見えたのだけは覚えている。しかしそこから先の記憶が今一つ。
テラスでも止まる事は無く、そこから先は完全に空中に放り出された。がラッキーな事に放り出された時、
両足着地の態勢を取る。着地点にも突起した岩も無かったのだろう。
両足着地した直後バランスを崩し(?)「ガン!」と左の頭に衝撃!!!。。。「うわっ!」っと思ったが意識はある。
ヘルメットのおかげか!
やべー頭打っちゃった!頭!頭!と慌てたが、立ってるし、両足、腰、腕、何処も全然痛くない。。。
なんで?なんで?なんで?
緊張のせいか左足だけが何故かブルブル震えている。
一緒に落ちたザイルをしまい、その場で守護霊さんに手を合わせた。
。。。という事で鍋沢の下降が終了する。対岸の渓谷道に上がり、駐車場に戻る。
温泉は、五十沢温泉に入る。休前日でなければ、本館のお風呂に入れる。500円で露天風呂2つ含め
3つも風呂がありお勧めだ。
P.S:日向沢は中上級者であれば、半日で遡行可能。鍋沢の下降をしなければ、
沢筋に日が差す朝9時過ぎに出発して、渓谷美を満喫するのが良いでしょう。
鍋沢の下降は残置を前提にすれば難しい所はありません。が、残置しない場合は
ザイルは2本、計60m以上の長さが必要です。
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